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2009年2月 4日 (水)

京品ホテル・なぎさホテル

品川駅前の「京品ホテル」がついに取り壊されてしまうらしい。創業は明治4年、趣のある素敵なホテルで品川のシンボルのようなものだった。様々な事情があるとはいえ、壊してしまえば永遠に失われてしまう。

母の女学校時代の友人K林Y子さんはそのホテルのお嬢さんだった。母はホテル内にあった彼女の家に遊びに行ったことをよく覚えているという。昭和15年、16年頃、母が12歳、13歳頃のことだ。1階はお店が並んでいて、2階部分の端が住居になっていた、階段を上がると迷路のような暗い廊下が続いている、お菓子をご馳走になったりして、彼女の部屋で一緒に遊んだという。しみじみ懐かしい、Y子さんともいつしか疎遠になってしまった、と母。

このあいだ「理科ハウス」のある逗子に行ったが、逗子には「なぎさホテル」があった。大正15年に創業したホテルが、もう20年も前に廃業していたということを知ったのはつい最近だ。「なぎさホテル」は若い頃とても気に入っていて、よく出かけたものだ。戦後の青春映画の舞台にもなったという。ホテルのレストランでカレーライスを食べて、一日じゅう海を眺めて東京に帰ってきた。

母の思い出の「京品ホテル」私の思い出の「なぎさホテル」……イギリスには美しい亡骸のようなホテルがたくさん残っていた。ほの暗い廊下に敷かれた赤い絨毯の上を歩くと、百年前、同じようにここを歩いただろう人々の微かなざわめきが聞こえるようだった。

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