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2010年12月27日 (月)

クリスマスの七面鳥

 かれこれ30年近く前から、毎年クリスマスには七面鳥を焼いている。七面鳥は日本ではあまり人気がないらしく店頭では殆ど見ない。私は大森のカドヤに予約しておく。3キロ半で3800円ほど、アメリカからの輸入品だ。国産品志向の私だがこれだけは仕方がない。今までソースに凝ったり、アメリカ風に詰め物をしたり、さまざまな工夫をしてみたが、一番美味しいのは、結局最初にスペインで教えてもらった焼き方だ。
 前日の夜に内臓をとった七面鳥に塩とコショウで味をつけ、お腹のなかと表面に丁寧にバターを塗り、上質のベーコンで包むように巻き、その上からブランデーをたっぷりかけて冷蔵庫でねかせる。翌日、そのまま中温で焼く。3キロのものなら3時間くらい。ベーコンはカリカリになったものから取り除き、汁をかけながら焼きあげる。シンプルなグレービーソースを作っても良いのだが、香りの良い上等のお醤油をさっとかけて食べるのが一番おいしいような気がする。
 この方法を教えてくれたのはスペイン人女性。彼女のご主人は古都ロンダにあるスペイン最古の闘牛場のオーナーだった。ロンダの闘牛場は歴史的建造物だが昔のままに保存されていて今でも使われている。世界的に有名な闘牛場で、多くの映画やドラマの舞台にもなった。
 彼女は私と同年代のラテン美人。ご主人の名前はホセ、それこそ目を見張るばかりの美男子で、会食のときに偶然隣に座ったのだが、「話すことも食べることも忘れてうっとりと見とれていたね」と意地悪な友人にからかわれてしまった。
 当時、私はまだ30歳を少し過ぎたばかりだった。今でもこうして彼女が教えてくれた通りに七面鳥を焼いているなんて、彼女は夢にも思っていないだろう。いつしか消息も途絶えてしまったが、今ごろどうしているのかな…。

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コメント

なっち~さま
30年も毎年、アメリカから輸入された七面鳥をスペイン風に焼いておいしそうですね。私たちも20年ぐらい焼いていましたがこのごろは人数も少なくなり主にハムや鶏になりました。次回は我が家もスペイン風に焼いてみたいと思います。
 シスコのクリスマスは例年より温暖で雨でしたがアメリカ中部や東部は寒波と大雪でマヒ状態です。 
 それでは良いお年をお迎えください。

投稿: アメリカ通信 | 2010年12月28日 (火) 04時25分

アメリカ通信さま
 アメリカは寒波と聞いておりましたが、シスコは暖かなクリスマスだったのですね。長くアメリカで生活していらして、きっとターキーはお手のものですね。私の焼き方は年寄り向きで、若い人たちは詰め物があった方が良いのかもしれません。
 どうぞ良いお年をお迎えください。コメント有難うございました。

投稿: | 2010年12月28日 (火) 09時39分

才女は時として、書く読むに時間を割いてきた都合上料理や掃除は苦手という人が多い。なのになのにナッチィさんは、絵といい、刺繍、整頓、全てに秀で家庭人として立派にこなしているところが凄い。その地にあって本格的な地場料理を会得し自分のものにしている。私がファンである理由は正にそこです。私の前の家はガス台の下は大きなオーブンだったから七面鳥も野菜を詰め込んでニンニク玉葱を炒め焼汁をかけて焼いたが、いまはヘルシオオーブンは小さく火が近すぎて焼けない!スペイン式をおそわりたくも無理。やはり豊かな文化は豊かさの中で受け継がれて行くという事を感じる。ナッチィさんの豊かさはお父様の血とご主人との赴任生活の汗に支えられているように思います。にわかにX’masを祝う日本人にひきかえ最も自然流のX’masであるところが素敵です。

投稿: カサブランカ | 2010年12月28日 (火) 20時01分

カサブランカさま
 心のこもったコメント、有難うございました。
 私は特別何かに秀でているわけではありませんが、料理や掃除や洗濯が大好きで、とにかく体を動かしているとすごく元気でいられます。自分の天職は絶対に「主婦」!と思っています。一家の肝っ玉母さんでいられたら、素敵ですね。

投稿: | 2010年12月29日 (水) 17時35分

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