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2011年2月17日 (木)

『アルルの女』・品川区民管弦楽団

 ドーデの『風車小屋だより』のなかで最も有名な小品『アルルの女』。メリメの『カルメン』の南フランス版のような物語だが、カルメンは殺され、アルルの女は相手を自殺に追いやってしまうという両極端の結末だ。双方ともビゼーが曲をつけた。
 『アルルの女』の第2組曲はよく演奏されるが、なかでも『メヌエット』はフルートの名曲。私も何度かステージで吹いたが、一見簡単そうに聞こえるこの曲が、実は非常に吹きにくくて難しい。Gの音が出しにくいというフルートの欠点をついたような曲だ。
 『アルルの女』には思い出がある。1970年代、私は品川区民管弦楽団に所属しフルートを吹いていた。ある日、テレビ局から声がかかり朝の番組(モーニングショー)に出演することになった。当時の指揮者は、もとNHK交響楽団のコンサートマスター日比野あいじ先生だった。当日はビゼー作曲『アルルの女』を演奏することになり、オーケストラ曲には珍しいサックスが必要とのことで、サックス奏者だった私の妹も参加した。朝早く集合して皆でテレビ局に行った。キャスターの男性は忘れてしまったが女性は俳優の仲代達矢夫人だった。タイトルは「頑張れ、町のオーケストラ」。当時の品川区民管弦楽団は、親子や夫婦で、また姉妹や兄弟で参加している人たちもいる家庭的なオーケストラだったが、演奏はなかなかなものだった。私たち姉妹は仲代達矢夫人に「姉妹で一緒に演奏するのはどんな気持ちですか」などとインタビューされたが、妹はしらっと黙っていたので仕方なく私が答えたりした。記憶に間違いがなければ演奏したのは『間奏曲』『ファランドール』それに『メヌエット』だった。『メヌエット』のフルートのソロはさすがに緊張したが、妹のサックスとの掛け合いがはじまってほっとしたことを思い出す。妹はなりたてではあったがプロだったのでさすがに落ち着いていた。ビデオもない時代で、テレビ画面を撮った写真しか残っていないが、そんな時代もあった、と懐かしく思う。

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コメント

ナッチイ様、貴女のマルチ振りも相当ですね。 書く描く吹くですかぁ。その上料理も刺繍も、、、やはり才女は何でもやれるんですね。 何年位所属してらしたのかしら。読む事で知る 深い世界、書く為に調べ識る、広い世界、吹く事で好きになる音楽の世界、そういう造詣の深さが人間の魅力になっているんですね。私も母からそのようにあれと教わった事を思い出します。 母も相当なマルチで私は尊敬し感心し今も越えられません。 母曰く、男を飽きさせない女になること。そういう女は女からも好かれるから。銀座の一流クラブのママは、顔だけではなく座持ち。どんな教養のある学者の話もある程度相手が出来、大会社の社長にも受け応え面白く 安サラリーマンの愚痴も優しく受け止めてあげる。そのため、新聞週刊誌にも目を通し、あらゆるジャンルに興味を持ち好きになる。そこを見習いクラブのママではなく、家庭のよきママでいる。それが魅力的な人間よ。そう小さい頃から育てられてきた。映画にオペラに芝居に美術館によく行き、自分の内面磨きに気が行く。そういう方にせっすると感激するのは母の言葉を思い出すからかもしれない。

投稿: yuwa | 2011年2月20日 (日) 23時01分

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