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2011年3月 7日 (月)

平山郁夫と文化財保護展



 東京国立博物館平成館で『平山郁夫と文化財保護』展を見た。友人のSさんと10分ほど並んで入る。混雑しているが入場制限しているので見えないということはない。絵画よりも仏像など文化財の展示が多く、絵画展というよりコレクション展の様相。平山郁夫は2009年の12月に79歳で没。故人は画家として著名だったが西域の文化財保護にも熱心だった。会場には、インド、パキスタン、アフガニスタン、中国、カンボジアなど仏教伝来の道に残された仏像や壁画約100点と奈良薬師寺の『大唐西域壁画』が展示されていた。有名なバーミアン壁画、アンコール・ワットの遺物もある。
 今でこそ、シルクロードや西域はテレビや雑誌、読みやすい紹介本などで日本人にかなり知られているが、私が大学生の頃はよほど興味のある人しか詳しいことは知らなかった。思い起こせば、大学一年時の三上次男教授の「東洋史概観」ほど楽しい授業はなかった。聞いているだけで夢のなかを旅しているようだった。1960年代終わりのことだったので、当時はまだ中国とは国交が回復していなかったが、戦争前に調査した好太王の碑や中国での発掘の話、チベット仏教の話、西域の国の王さまに招待された話などなど、それから幻の湖ロプノール(さまよえる湖)のほとり、漢王朝時代に栄えた楼蘭の話や、オアシス国家敦煌の莫高窟の話なども印象的だった。三上先生の研究室には見たこともないカワラケや石ころに混って、民族色豊かな織物や鼻の欠けた小さな仏頭などが所せましと並んでいた。はじめて先生の研究室に入った時、掛けなさい、といわれるまで私はぼんやりとそれらに見とれていたものだ。
 会場の最後に平山郁夫が手掛けた薬師寺の壁画『大唐西域壁画』を展示してあった。夕焼けのインドの風景のなかにぼんやりとした僧の影が見える。説明によるとそれは高田好胤がモデルだという。中学の修学旅行の時、とても面白い説明をして私たちを笑わせたあの高田好胤だ。高田好胤がマスコミで有名になり薬師寺がさらに脚光を浴びたということもあるだろう。本来お寺は観光地ではないにしても、やはりきれい事ばかりもいっていられない。

*ところで、ナウというのはもともとツイッター(Tweetは小鳥がさえずるの意)言葉だと若い人が教えてくれました。「Twitterのナウの意味と使い方」というサイトに、「正しいナウの使い方」というのがあって笑ってしまいました。日本語は「小鳥の言葉」になってしまうのかしら*

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