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2011年5月15日 (日)

原発事故

 西大井までタクシーに乗った。運転手さんは私よりもかなり年上にみえるがさすがにプロだ。西大井への道はわかりにくいけれど、迷うことなく一番近い道を進む。「今日は暑くなりそうですね」と運転手さん。「気候が不順ですね、天変地異など起こらないといいんですけど…」と私。「本当にね。原発事故もいやですね。日本は唯一の被爆国なんだから、はじめから原発はやらないって言えばいいのにね」と運転手さん。その言葉を聞いて、私と同じように考える人がいるのだと驚いた。私もこんな事故が起きる前から原発は大嫌いで、どうして唯一の被爆国の日本が世界に向かって強く反対の姿勢を示さないのか疑問だったし、とても腹立たしかった。
 形あるものは必ず壊れる。絶対なるものなどこの世にあるはずがない。「奢れる者も久しからず」だし、それが「盛者必衰の理」だ。
 1963年に東海村ではじめて原子力発電が成されて以来、50年もしないうちにこの事故だ。原発推進派の人たちだって絶対にわかっていたはずだ。でも目先の利益やもろもろの欲望のために一抹の不安に目をつぶっていたに違いない。「日本は山の国なんだから水力発電に力を入れればいいんですよ」と運転手さん。「本当にね、事故を起こして莫大な補償金を払い、国土の3分の1を汚染で失って周囲の海も汚染されて、それくらいなら水力発電にいくらお金をかけてもお釣りがきますね」と私。
 西大井の駅が見えてきた。「私はね、広島で被爆しているんです。学童疎開していてね。あの光景は生涯わすれられませんね…」運転手さんはぽつりとそういった。

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