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2011年8月14日 (日)

『蜜のあわれ』室生犀星

 1959年に書かれたこの小説は、すべてが老人(作家のおじさま)と金魚の会話だけで成り立っている、なんというか…シュールな小説。泡をぶくぶく吐きながらおしゃべりしているような会話、金魚は若い女の人に化けて銀座に出かけたり、おじさまにお金やバッグをねだったり、そしてついには卵を産んでおじさまの子供として育てるといったりする。ほかにも、老人の昔の愛人(おばさま)が出てきて、それが幽霊だったり…。
 犀星はさかなが大好きで、魚眠洞という号を持っていた。馬込文士村の住人で、今でも臼田坂上のお豆腐屋さんにいくと、犀星に頼まれて作ったというあお豆が入ったがんもどきを売っている。子どもたちが通っていた馬込第3小学校の校歌は室生犀星の作詞で、名校歌として知られている。一節に「そのかみの貝塚よ そのかみはわたつみ、いにしえは魚あつまり、魚も歌いけん」とあり、「魚」は「いお」と読ませる。校庭には『蜜のあわれ』にも登場する犀星の書斎が移築されている。
  …書斎の軒のあたりを、金魚が泳いで(というか飛んで)いたりしたのかなぁ…

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