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2015年4月18日 (土)

オスカー・ワイルドと芥川龍之介

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ロンドン・オスカー・ワイルドの住んだ家

 

オスカー・ワイルドの中編小説を読んでいたら、面白い記述があって私の目にブレーキがかかり急停車。

「We fought with the Magadae who are born old, and grow younger and younger every year, and die when they are little children」という箇所。

「私たちはMagadae(という国)と戦った。そこに住む人々は、老人で生まれ、年ごとに若返り赤ん坊になって死んでいく」というようなことらしいが、昔どこかでそんな映画をみたような……

お爺さんで生まれたブラッドピットが赤ちゃんになって妻の腕の中で死んでいくという、確か、アメリカのボタン工場かなにかの……そうそう『ベンジャミン・バトン数奇な人生』だ。

と思ったとたん、芥川龍之介の『河童』を思い出した。『河童』は、ある日穴のなかに落ちたら河童の国に来ていた、と語る男(狂人)の話だが、物語の最後、男が人間の国に帰りたくなって相談にいったのは、子どものような老人で、彼は年令を重ねるとともに若返るという設定。

映画『ベンジャミン・バトン数奇な人生』の原作は、1922年に書かれたフィッツジェラルドの短編。芥川の『河童』より5年ほどはやい。もしかしたら芥川はそれを読んでいたのか……。老人で生まれて赤ん坊で死ぬ、という発想は何となくキリスト教的だし、また、当時の物理学や化学の発達に伴って自然に考え出されたのではないかという気もする。当時は、けっこう多くの人々が考えていたことで、それほど独創的という訳ではなかったのかしら……。私は、若いころ『河童』を読んで、発想がすごい、と思ったけれど、今思えば、芥川は芸術家というよりどちらかというと学者タイプだったのかもしれないし……。

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