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2016年2月29日 (月)

英国の夢・ラファエル前派展

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渋谷の東急bunkamuraザ・ミュージアムに『英国の夢・ラファエル前派展』を見に行く。

リバプールの3つの国立美術館から65点を集めたという。10年ほど前まで、日本では一般的にほとんど知られることのなかったムーアやハント、ワッツ、バーン=ジョーンズやウォーターハウスなども並んでいる。私はラファエル前派の絵が大好きだが、リバプールは行ったことがなく、これらの作品も見たことがなかった。いつも外国の絵画展には失望させられているけれど今回は満足。やはり、リバプールにも行ってみるべきだったか。ビートルズで有名ではあるが、産業革命で栄えた労働者の街というイメージだったし……ついに行きそびれてしまった。

「ラファエル前派」とは若い画学生たちがイギリス絵画の殿堂、ロイヤルアカデミーの形式主義に反発して、1848年に結成した「ラファエル前派協会」に由来する。

ロンドンのテートにある『オフィーリア』で知られるミレイの作品『いにしえの夢―浅瀬を渡るイサンブラス卿』、タデマのローマ風絵画、レイトンの『ペルセウスとアンドロメダ』、ワッツの『希望』の下絵、そしてバーン=ジョーンズの『スポンサ・デ・リバノ』、これはロンドンで見た記憶がある。テートの特別展だったのかもしれない。下敷きになっているのは『旧約聖書』のなかにある「雅歌」。レバノンの花嫁が森へ続く道を歩き、その後ろにはともに女性の姿をした北風と南風が描かれている。風の精の渦巻く衣装が森の木々にも絡まっている。花嫁の周りで風に翻弄される白百合の花、白百合は純潔のしるし、それが風になびいている。何を表現したいかは一目瞭然だ。そしてウォーターハウスの『デカメロン』。『デカメロン』はボッカッチョの小説で、14世紀中ごろに書かれたもの。フィレンツェに蔓延したペストから逃れるために自らを隔離した10人の男女がつれづれに語る物語だ。短編集のようなものだが、このようなかたちの小説はチョーサーの『カンタベリー物語』などにもみられる。

それにしても『英国の夢』とは……ラファエル前派がなぜ「イギリスの夢」なのだろう。

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