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2018年7月19日 (木)

夏みかん

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久しぶりに、というのもおかしいが、実際、久しぶりに商店街を抜けて駅まで行った。駅の踏切の手前で、甥に似た後姿を発見して、もしやと思って近くに寄ってちらと見たが、抱いていたのは違う女の子だったので、あら、甥ではなかったわ、と思った。背の高い若いお父さんが大きなスーパーの袋を両手に持って、抱っこひもで可愛い女の子を抱っこして電車が通り過ぎるのを待っている。今はお父さんが子どもを抱いてスーパーで買い物をする時代なのだ。それを思えば、一部の戦前の父親などほとんど犯罪者のよう……。とにかく威張っている、気に入らなければ家庭内で暴れる、子どものことはすべて母親の責任だとしてやりたい放題、お前たちを養っているのだ、文句はあるか、というような調子。確かに今より日本の社会も厳しかったかもしれないが……などと考えながら用事を済ませて、帰途、いつもの坂道にさしかかる。暑いので日傘をさしてゆっくり上っていく。坂の真ん中あたりに大きな夏みかんの木があり、いつもそこで一息つくことにしている。かなりの古木で、黄色い実をたくさんつけて緑の葉を茂らせ、道にまでせり出して影を作っているのだ。しかし……ない。あるはずの夏みかんの木がない。その場所をかなり過ぎてから、夏みかんの木がなくなっていることに気づいた。振り返って見渡せば、そこはすっかり更地になっていた。

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コメント

今は共稼ぎの方が多い 。 子育てもフィフティー フィフティーなのでしょうね。
私もそうでしたが 早く出勤の主人が出かける時は必ず 子供達を 玄関までお見送りさせてました。 寝ている時は起こして。 主人を立てていましたが ・・・
でも 娘達は やはりその様にしているので 嫌ではなかったのかなと思ってます。
みかんの木 私なんか 何があったのすら思い出せない時が有ります。

投稿: | 2018年7月22日 (日) 06時32分

コメント、有難うございます。我が家も誰かが出かける時は、一家総出で見送ります。近くのポストに手紙を出しにいく、などというのは例外ですが。このところ、東京がどんどん変わっていくと感じます。1964年の東京オリンピックの前と同じようですね。

投稿: | 2018年7月22日 (日) 12時52分

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