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2018年10月19日 (金)

ニューヨーク*スリーピー・ホロー

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ザ・グレイト・ジャック・オ・ランタン・ブレイズ

『スリーピー・ホローの伝説』は『リップ・ヴァン・ウィンクル』と同様、ワシントン・アーヴィングの『スケッチブック』のなかにある伝承民話だ。『スリーピー・ホローの伝説』は、首のない騎士に追いかけられて村はずれの橋のところで命を落とす(行方不明になってしまう)イカボッド・クレインの話。このふたつがニューヨーク郊外を舞台にした言い伝えとして、今も人気があるらしい。特にスリーピー・ホローの伝説は映画で有名になり、モデルとなった村は、村おこしのためかタリー・タウンという名(アーヴィングのよる)をスリーピー・ホローと変えてしまったとか。

スリーピー・ホロー・カントリー、ハドソンバレーにあるヴァン・コートラント・マナーの「ザ・グレイト・ジャック・オ・ランタン・ブレイズ」に行った。毎年、ハロウィンに因んで開催されるが、アメリカの子どもたちにとって、ハロウィンは特別印象深いお祭りだ。まさしく、レイ・ブラッドベリの小説『何かが道をやってくる』の世界なのだ。私は学生時代にこの小説を読んだが、これこそが、「心惹かれるアメリカのハロウィン祭りの印象」だった。巨大なオレンジ色のかぼちゃの中身をくりぬき、お化けの顔やケルトのレース模様を彫り込み、ひとつひとつ灯りをともして、スリーピー・ホローの伝説に出てくる首なし騎士をはじめ、動物や昆虫、巨大な蜘蛛の巣、それに汽車や自由の女神などを形作ったりなど、さまざま工夫を凝らして展示している。ジャック・オ・ランタンとは鬼火のようなもの、そういえば私が10年前に訳した『わし姫物語』のなかにも出てきた。

……会場へ向かう暗い道路を車はひた走る。うっすらと立ち込めていた霧がだんだん濃くなり、すれ違う車のライトがいきなり現れて、真っ赤な鬼火のように後ろへ遠ざかる……これから何が起こるのだろう……と思う間もなく会場に着いたが、なかなかの人出。展示物が見えないほどの混雑ではないが、子連れ孫連れでいっぱいだ。会場には他に照明はなく、すべて赤く点るジャック・オ・ランタンの灯ばかり。その暗さが独特の雰囲気を醸し出している。

私はその日、熱を出していた。いつもは決して飲まない風邪薬を飲んで出かけたので、どこか心身ともにふわふわとして……まぁ鬼火を見るにはちょうど良い気分だったかもしれない。息子の家に帰って熱を測ると37、9度。再び風邪薬を2錠飲んでうがいをして寝た。

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