« ニューヨーク*NYフィルのコンサートとブロードウェイ | トップページ | 『私が愛する世界』・ソニア・ソトマイヨール・2 »

2018年11月16日 (金)

『私が愛する世界』・ソニア・ソトマイヨール

DSC_5201

原書と翻訳書

ニューヨークに着いた日、JFK空港からタクシーに乗ったが、道すがら「コープシティー」と書かれた案内板を見た。「コープシティー」はこのあたりから近いのかしら、と考え、そこで育ったソニア・ソトマイヨールのことを思った。ソニアは現在60歳代前半、アメリカの最高裁判事だ(最高裁判事は終身の職)。ヒスパニック系(プエルトリコ)のアメリカ人女性で、多くの困難を乗り切って最高裁判事にまで上り詰めた「奇跡の人」である。彼女の半生をつづった『私が愛する世界』はアメリカでベストセラーになり、子ども用の絵本にもなっている。多くの国で翻訳出版されているのに、なぜか今まで日本では訳出されていなかった。しかし今年9月に、ようやく日本語の翻訳本が出版された。ソニア・ソトマイヨールは8歳で小児糖尿病を発症。生まれ育った地域は麻薬とアルコールに汚染されていた。彼女の父の死因はアルコール中毒、母は子どもを育てるために看護師として懸命に働いた。ソニアは幼いころから自立を余儀なくされ、自らインスリンを打つ決心をする。彼女は当時の差別是正措置の影響もありアイビーリーグの名門プリンストン大学に入学、そしてそこを首席で卒業してイェールの法科大学院に進んだ。卒業後は、検事局、法律事務所、連邦地裁判事、控訴裁判所判事を経て2009年に最高裁判事となった。この本を読んでいると、ソニアがいかに強い意志を持って学問に励んだか、いかに素晴らしい親族や友人に恵まれたか、そしてまた彼女の持ち前の楽天主義が、幸福な人生を歩むための基本だったということがわかる。彼女の言葉が、強さばかりではなく優しさを伴って響いてくる。「内にとじこもって壁を作るのではなく、外に向かって橋をかけなさい」

|

« ニューヨーク*NYフィルのコンサートとブロードウェイ | トップページ | 『私が愛する世界』・ソニア・ソトマイヨール・2 »

書籍」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『私が愛する世界』・ソニア・ソトマイヨール:

« ニューヨーク*NYフィルのコンサートとブロードウェイ | トップページ | 『私が愛する世界』・ソニア・ソトマイヨール・2 »