演奏会

2018年7月 7日 (土)

フルート・アンサンブル

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先週末、友人のフルート・アンサンブルを聞きに行った。音もそろっていて、皆、楽しそうに吹いていて、とても良い演奏会だった。そして友人の先生が青木明先生にも教えを受けた方だということがわかりとても懐かしくなった。青木先生はフルート・アンサンブルに力を入れていらした。
私が青木明先生のもとへ通い始めたのは16歳の時だった。それ以前にも別の先生にフルートを教えていただいていたが、高校生になり本格的に音大をめざそうと高校の音楽の先生に相談したところ、青木先生を紹介して下さった。
青木先生のお宅に母と一緒に初めて伺った時、先生はまだお若く、ご子息はまだ本当に小さくて、お嬢さまは生まれていなかった。先生は初対面の私をご覧になって、「あなたはフルートに向いていますよ」とおっしゃった。私も母も、もちろん喜んだ。きっとひと目で私の才能を見抜かれたのだわ、などとは全然思わなかったが、そういって勇気づけてくださるのだわ、と思った。でも本当はそうではなく、先生は私の口の形と歯並びを見てそういわれたのだった。フルートに適した形の唇と歯並び。それは残念ながら、美しい女性のおちょぼ口とは正反対の形だったのだが……。
フルート・アンサンブルの当日は、モーツアルトの『アンダンテ』を演奏した方がいて、それも懐かしかった。高校生の時に舞台で演奏した曲だ。譜面上は簡単で地味だが感情を表現しにくい曲で、そういう意味でとても難しい。『アンダンテ』には曲の最後にカデンツァがある。青木先生は、自分で作ってごらんなさい、とおっしゃってそれは宿題になった。私は、何とかそれらしく作って(ランパルやニコレのカデンツァを聞いて、なるべく同じようにならないようにして)次のレッスンでおそるおそる吹いたら、「良いねー」と褒めてくださったことを昨日のことのように思い出した。月日の経つのは本当に早い。まさしく「光陰矢の如し」だ。

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2017年12月29日 (金)

藝大『メサイア』

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クリスマス前に母をつれて上野の文化会館大ホールにヘンデルの『メサイア』を聴きにいった。もともと母と妹が母校の後輩が演奏するというので聴きにいくつもりだったところ、妹の都合が悪くなってしまったので急遽私が母を連れていくことになったのだ。そうはいっても、私にとっても『メサイア』は学生の頃、毎年、演奏に参加していた馴染みのある曲。文化会館大ホールも、大学時代、アメリカ演奏旅行の前の定演をここでやり、当時はこんな大きなホールで演奏するなんて、と思って緊張しつつドボルザークの『新世界』を吹いたけれど、今眺めてみると本当に小じんまりとしたホールで、しかもかなり年代物という感じさえする(日比谷公会堂ほどでもないが)。
入り口のホールもすっかりクリスマスの雰囲気で、大きなツリーが飾ってある。席は中央の中心近く、通路の後ろだったので人の頭が邪魔になることもなかった。プログラムには英語と日本語の歌詞(すべて聖書の言葉)が載っていたが、英語は古単語が多く日本語も昔の直訳。それでも、このメサイア公演は毎年やっていて今年で67回目だという。
『メサイア』は最初のシンフォニーから始まり、テノールが2曲続きコーラスになる。And the glory of the Lord shall be revealed, and all flesh shall see it together……が始まったとたん、あたかも眩しい光を当てられて目を覚まされたように陶然とする。なんて艶のあるきれいな声、なんて美しいの!若い人の声ってこんなにきれいだったかしら。彼らは声楽科の学生たちでプロの卵なのだから歌唱力もあるのだが、声そのものが清らかで甘いというか…。そういえば、私はいつの間にか周囲に大人の声(というか年配者の声)しか聞かなくなっていたのだと思った。学生の頃は仲間がみな若かったから、声の質が特別きれいだとは思わなかったのだが、これはまさしく若人の声!12番のFor unto us a Child is born, unto us a Son is given……も素晴らしく、もちろん44番のハレルヤコーラスも恍惚状態で聞いた。昔は、ハレルヤコーラスが始まると聴衆は全員起立したものだが、今はほとんど立つ人はいない。私の隣りに座っていた年配のご夫婦はさっと立ち上がったが、私は立とうとした母を押しとどめた。私の見える範囲では立ち上がった人は10人もいなかった。何にせよ、ソロの歌手も藝大フィルハーモニア管弦楽団も良かったが、合唱は想像を絶する素晴らしさだった。そしてトランペット!トランペッターは若い女性。キリストの復活で演奏されるトランペットのソロはとても難しいのだが、今回はそれも素晴らしかった。

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2017年10月30日 (月)

細川順三・音楽講演会

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*芸術の秋*音楽講演会*

**午後のひと時を細川順三氏とともに**

 

11月11日(土曜日)13時30分~15時、NPO法人馬込文士村継承会の特別講座に、NHK交響楽団のフルート奏者として活躍された細川順三氏をお招きして、お話を伺うことになった。場所は大田文化の森。

細川さんは東京芸術大学在学中、第40回日本音楽コンクールで第2位に入賞。大学卒業後、札幌交響楽団の首席奏者となり、その後、文化庁在外研究員としてバーゼル市立音楽院に留学。1987年から2009年までNHK交響楽団に在籍した。内外で賞を受けソリストとしても活躍。フェリス女学院大学教授、東京芸術大学非常勤講師、日本フルート協会常任理事などを歴任。CDに『Morgen』、書籍に『絶対!うまくなる フルート100のコツ』がある。

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音楽が、フルートがお好きだという方は、身近でお話が聞ける良い機会だと思います。細川さんは私の高校時代のオーケストラの先輩。お話もとっても上手な方です。ご参考までに、2015年5月27日の私のブログです。

http://natty8.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-febd.html

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2015年9月18日 (金)

フルート&ギター・デュオコンサートin Japan 2015“ハポン・エスパーニャ”

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竹内敬子さんと高木真介さんのデュオコンサートにいった。敬子さんはマドリードのコンセルバトリオ(マドリード王立音楽院)時代の友人で、じつに30年ぶりの再会だった。当時、敬子さんは、広島のエリザベート音大を卒業してコンセルバトリオに留学していた。挫折してしまった私と違って、彼女は卒業後、ヴァジャドリード市立オーケストラの首席フルート奏者となり、その後も活発な演奏活動を続けながら、後進の指導にあたっている。高木さんもマドリード王立音楽院で学んだギタリスト、おふたりともスペイン在住で、今回は一時帰国コンサートだった。

最初の曲は『春の海』、そのフルートの音色を聞いたとたん、あぁ、敬子さんの音だわ、と懐かしさのあまり涙があふれた。演奏を聞きながら、さまざまな思い出がよみがえった。コンセルバトリオのレッスン室の高い天井には、彫刻の天使が楽器を奏でながらいくつも飛んでいた……200年間使われてきたその白いレッスン室で、プーランクのソナタの3楽章がうまく吹けず「それじゃ、まるでフラメンコだ!」と先生に叱られたこと……あのころ敬子さんはモーツアルトのソナタをすごく上手に吹いていたなぁ……など。

こうして聞いている敬子さんの音と、昔の私のフルートの音が、耳元で交互に鈴のように鳴っているのに、私のフルートはいったいどこへいってしまったのだろう。歳月の闇にはぐれてしまった私のフルート……でも、そんな思いとは裏腹に、敬子さんの素晴らしいフルート演奏を聞いているとしみじみと嬉しくて、心が満たされるようだった。

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2015年5月27日 (水)

細川順三・フルートリサイタル

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先週、虎の門で細川順三・フルートリサイタルがあった。東京を皮切りに今後、大阪、旭川、札幌と続く。

細川順三さんは、私の高校時代のオーケストラのフルートの先輩。高校生のとき舞台の上で、チャイコフスキー『くるみ割り人形』の有名なフルート三重奏『葦笛の踊り』を一緒に吹いたこともある。

細川さんは、高校も後半になってから本格的にフルート演奏家をめざした方だが、いったんそうと決めてからは、素晴らしい勢いで邁進され、あっという間にフルート界でなくてはならない人になった。東京芸大を卒業後、札幌交響楽団に入団、スイスに留学、そしてNHK交響楽団のフルート奏者を経て、現在は大学の先生。今年、『絶対うまくなるフルート100のコツ』という本を出版。

プログラムは、ドボルザークやシューマン、ピエルネなどだったが、演奏は計算しつくされていて美しく、しかもどんどん華やかな感じになっていき、どんどんひきつけられて、アンコール3曲も本当に素晴らしかった。

会場では久しぶりに友人や先輩方にも会うことができて懐かしかった。私は13年ほど前に、ロンドンにN響がきた際、アルバート・ホールで細川さんにお会いして、ちょっとお話ししたのだが、その時、演奏会の前日にロンドンにきて終わりしだい日本に帰る、と聞いて、プロの演奏家は忙がしいのだなぁと思ったものだ。

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2013年12月27日 (金)

インコグニート(incognito)

 今月25日、息子たちが誘ってくれたので、インコグニートのコンサートにいく。
 会場は青山の「ブルー・ノート」。
 ロンドンのジャズバンドだが、メンバーの国籍はさまざま。
 いわゆる普通のジャズではなく、このようなものはアシッド・ジャズというらしい。リーダーの説明によると1979年に楽器だけではじめて、その後ヴォーカルも加わったということだ。
 派手で明るくて心が弾むようで、とても素敵だった。さらに客席で陶酔する人々の表情や動作は、見ていて飽きないものがあったし……。楽しいクリスマスでした。


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2013年12月18日 (水)

ソプラノ歌手・宗田舞子

 昨日は、『トリオ・コンサート・3』にいく。メンバーはソプラノの宗田舞子さん、バリトンの佐藤望さん、ピアノの矢島吹渉樹さん。
 宗田舞子さんは友人の娘さん。舞子さんはお母さまである私の友人によく似た美人である。持って生まれたものだろうが、声がとても明るく声量がある。彼女はオペラを歌うために生まれてきたのかもしれない。
 4、5年前になるだろうか、山王病院でのコンサート(同じメンバー)を聴きにいってから毎回出かけている。2年前に舞子さんはご主人の転勤でニューヨークにいったが、昨年も今年も、年末に帰国してコンサートをしている。ニューヨークでは、カーネギー大ホールでソリストとしてデビューするなど華々しい活躍だ。
 二期会会員のバリトンの佐藤さんも素晴らしい。毎回良い声だなぁと思うのだが、今回はますます磨きがかかっていて聴き惚れてしまった。矢島さんも、クラシックだけではなくジャズもポピュラーも何でも弾きこなすピアニスト。3人とも30代から40代、年令的にいっても今が最高なのだろう。
 ヴェルディの『椿姫』の抜粋が本当に素晴らしかったが、私はアドルフ・アダンのクリスマスキャロル『おお、聖なる夜』が心に沁みた。因みにアドルフ・アダンはバレエ音楽『ジゼル』の作曲者。
 ナビゲーターは元NHKエグゼクティブアナウンサー村上信夫さん。会場の雰囲気をもりたてる素敵なトークだった。

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2012年3月13日 (火)

高田光比古+3

 先日、高田光比古+3のJAZZ LIVEを聞いた。場所は大船教会、大船ははじめて降りた。子供のころ大船を通るたびに、電窓に大きな真っ白な半身の観音像が見えて、どこか不思議な気持ちにさせられたものだ。
 高田さんは大学オーケストラの先輩、友人に誘われて今回はじめて出かけた。高田さんはドラム、他にベースとピアノと尺八でJAZZを奏でる。尺八のJAZZは聞いたことがなかったが、とても素晴らしかった。会場には70人以上が集まった。最後の曲は明るいサンバ、高い教会の窓から夕日が射しこみオレンジ色に煌めいて会場を照らし出していた。大震災から1年、しみじみとJAZZを聞いた。

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2012年2月 6日 (月)

ワグネル・ソサィエティー・OBオーケストラ

 幼馴染みのKさんが誘って下さったので、慶應義塾W・S・OBオーケストラ・第71回定期演奏会にいった。会場は横浜のみなとみらいホール、ここはケンプのピアノリサイタル以来だ。今回はチャイコフスキーの『ロメオとジュリエット』と『眠れる森の美女』、それにメンデルスゾーンの3番『スコットランド』とポピュラーな曲ばかり。ポピュラーな曲は難しいのでアマチュアオケではあまり演奏されない…が、苦労して練習を重ねたのだろうと思われる良い演奏で楽しんだ。メンデルスゾーンはユダヤ人、38歳で早世したグレイト・コンポーザーだ。私も学生時代、5番の『宗教改革』を演奏したことがある。1842年に作曲された『スコットランド』は、5つある交響曲のなかでも特別美しい。
 『スコットランド』より前、1830年に作られた序曲『フィンガルの洞窟』もよく知られた曲だ。2005年の夏、フィンガルの洞窟があるスタッファ島へ行った。オーバン海上に浮かぶタイリー島から船でスタッファ島に向かう。ジャイアンツ・ケーブ(フィンガルの洞窟)には巨人伝説がある。オシアンの父フィンガルは巨人族の美しい女性に惑わされて洞窟に入り、囚われの身となってしまう(心身ともに囚われてしまうということか…)。ギリシャ神話のカリプソの伝説と良く似ている。島は柱状列石で覆われ、洞窟のなかは静かなエメラルド色の海水がたたえられていた。途中で雨が降り出し、夏だというのにとても寒かった。

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2011年8月26日 (金)

フレディ・ケンプ ピアノリサイタル


写真は3月3日


 今日メールを開くと『チケットぴあ』から宣伝メールが入っていた。11月のフレディ・ケンプのピアノ演奏会のチケットはいかが?というもの。今年3月3日、横浜で開催されたリサイタルのチケットを買ったからだ。
 10年も前にロンドンで何気なく手に取った1枚のCD、それがフレディ・ケンプのベートーベンのピアノソナタ集だった。とても魅力的な演奏だったので、是非、生演奏を聞いてみたいと思っていた。たまたまネットで演奏会があることを知り、しかもベートーベンのソナタが演目だったので、2枚買って母と行くことにした。
 ケンプは1977年ロンドン生まれ。4歳半で初舞台、8歳でロイヤル・フィルと共演、チャイコフスキーコンクールで3位。そして日本人とイギリス人のハーフ(なぜかこれは英語のパンフレットには書かれていない)とのことだ。
 ベートーベンのピアノソナタ『悲愴』と『熱情』、休憩をはさんでリストの『ランメルモールのルチアの回想』、ショパンの『ノクターン(9-2)』、ブラームスの『16のワルツ』、リストの『メフィスト・ワルツ』を演奏した。
 独特のリズム感と完璧な技術で聴衆を魅了する。プロならば(グレン・グールドみたいに芸術家然として気取っているのはかえって野暮ったい)、神業のような技術を見せびらかして、これでどうだと得意げにやってみせて…と私は思うのだ。その点、フレディ・ケンプは最高だった。何といってもソナタのなかで一番好きな『熱情』が本当に素晴らしくて満足!特に3楽章は演奏者が無我の境地に入っている感じがあった。
 いくらなんでも演奏会のあと、若い女性のようにサインを求めて列をつくる気にはなれなかったが、久しぶりにプロの演奏を聞いたと思った。ブログに書くつもりだったが大震災が起こり、あの時は機を逸してしまった。

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