童話

2011年12月31日 (土)

『マッチ売りの少女』・アンデルセン

 今日は大晦日、今年は公私ともに悲しいことが多い年だった。日本は本当に滅びてしまうのではないかと思った。でも元気を出さなければ…。
 大晦日の晩に凍えた小さな手でマッチを擦り、七面鳥や大きな暖炉、それに綺麗に飾り付けられたクリスマスツリーの幻を見ながら、お祖母さんに導かれて天国にいく『マッチ売りの少女』。新年の朝、雪の中に倒れている少女がミサに向かう人々に発見されるのだが、幼い頃、この童話を読むたびに、なぜ大晦日なんだろう、なぜクリスマスの夜じゃないんだろう、12月25日過ぎたらクリスマスツリーは片付けるんじゃないの、と疑問に思っていた。
 スペインで暮らして、ヨーロッパでは25日から1月6日までがクリスマスなのだということを知った。だから新年を迎える部屋にクリスマスツリーがあって当たり前。スペインは6日がレイジェス・マゴス(東方の3賢人)の祭日、子どもたちはその日にプレゼントを貰える。
 30年前、マドリッドのファン・ラモン・ヒメネス通り…お隣りに住んでいたジョレンテさんのセニョーラはどうしているだろう。1月6日になると、就学前の息子たちに「ロス・レイジェス!セニョリートス」といいながら、玩具を持ってきてくれた。大きな胸にひとりひとり抱きしめて、両方の頬にキスするスペイン式の挨拶…子どもたちは喜んで、すぐにプレゼントの包み紙を破いたものだ。その場で盛大に破くことが良い(嬉しさを表す行動)とされていた。

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2008年11月 4日 (火)

『サラガのバオバブ』

知人に薦められて、よねやまひろこ著・エドモンド・オパレ絵・『サラガのバオバブ』を読んだ。サラガは西アフリカ、ガーナの北にある町。広場にはたくさんの鉄のくいが打たれたバオバブの老木がたっている。そこはかつての奴隷市場…くいには競売にかけられる奴隷がつながれていたという。老木は若木に語りかける。アメリカに売られ一生綿畑で働かされたひとりの少年の物語を。

書きつくされ語りつくされた奴隷貿易の悲惨さだが、それでも読むごとに考えさせられる。同じ人間なのに差別はどうして起きるのだろう。突き詰めれば自分が優位に立ちたいという単純なエゴからではないか。人間は浅ましいものだ。人種差別、男女差別など、自分より弱いものに対する暴力行為(物理的にも精神的にも)を止められない。今でも同じだ。

友人tamtamは若い頃からアフリカに惹かれていた。もうずいぶん前のことだが『サハラの岸辺に木を植える』という本を出版した。アフリカに没頭する彼女は、千駄木でアフリカ関連のお店を出している。そこには民芸品や書籍が並べられ、アフリカ好きの人々が集まってくる。

私にとっては未知の大陸アフリカ。ずっと昔、ジブラルタル海峡の向こうにはるかに霞むアフリカを見たことがある。いつかその地を踏むことができるだろうか。

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