動物・鳥

2017年8月 1日 (火)

「ことり」という名の金魚

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気がつけば8月。7月はいったいどこへ行ってしまったのだろう。「忙」という字のじゅうたんに乗って、空の彼方に飛んで行ってしまったのかしら……。

5年前、近所の神社の夏祭りで孫がすくった赤い金魚が、この5年間で5倍の大きさになり、ガラスの水槽もこころなしか狭くなってしまった。

庭の池に放そうかとも思ったが、その前に玄関先にある陶器の水槽に他の金魚と一緒に入れて様子をみることにし、数日前の朝、放した。他に赤い金魚が2尾と黒いぶちで尾が長い金魚がいるのだが、「ことり」に比べてすらりとスマート。毎朝、ガラスの水槽に私が近づくと飛び上がって餌を要求するので、定期的にやっていたのだが、どうしてこんなに……。本当に「ことり」はかなりの肥満体!夕方見に行くと,ホテイソウの影に隠れて出てこない。私のことはよくわかっていて、いつも私を見るとすぐに寄ってきたのに、新居が気に入ったから戻りたくないというわけか。

それにしても変わった金魚で、雌だというのに気が荒く、鯉の滝登りのように水しぶきを上げて水面から跳ね上がる。そして、水草を浮かべておくと全部食べてしまうというサラダ好きだ。昨日はやっと姿を見せ、おっとり穏やかに泳いでいたので一安心。

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2012年5月10日 (木)

下北半島の日本猿

先日のNHK『ダーウィンが行く』で下北半島のニホンザルを取り上げていた。ハルという名の老猿を中心に物語仕立てのようになっている。視聴者は全くの野性猿を撮影したと思うのだろうが、実際は人間がしっかり保護しているはず。
高校を卒業した年、友人のA子に連れられて下北半島の猿を見に行った。彼女は生物学専攻で、当時北限の猿に非常に興味を持っていた。出かけたのは3月。40年以上前の下北半島は交通の便が悪いうえに時節柄雪に閉ざされ、若い娘が猿の保護地区まで行くことなどどう考えてもできそうもなかった。けれどもどうしても見たいというA子の情熱がユースホステルのおじさんの心を動かした。
地元の人しか絶対に運転できないだろう山道を2時間近く走ると、深い雪のなかに小さな番小屋が心細そうに建っていた。そこにはたったひとりお爺さんがいて何をするでもなく静かにストーブにあたっていた。私たちが番小屋に着くと、驚いたようにどこから来たのかと聞いた。それはそうだろう、こんな若い娘たちがいったい何のために何時間も雪道を走ってやってきたのか…。A子は猿が好きだから、などといい、番小屋のお爺さんを仰天させた。何でもいいからはやくストーブにあたりなさい、とお爺さんは親切にいってくれた。もうすぐ降りてくるから一緒にりんごをやるといいよ、ともいってくれた。
時間が来ると、お爺さんは小屋の隅に山のように積まれたリンゴを布袋に入れて、完全に防寒して外に出て行った。雪の中に立って猿が山の上から下りて来るのを待つのだ。私たちも外に出て一緒に待った。それにしてもあまりにも寒く、私は殆ど凍えていた。猿はなかなか降りてこない。それでもA子は外で待つという。私はついに耐えきれなくなって番小屋に駆けこむとストーブにへばりついた。どれくらいの時間が経っただろうか…ついに私の名を呼ぶA子の声が…。
番小屋から出て眺めると、雪の斜面を何やらパラパラと黒い石ころのようなものが転がり落ちてくる。猿の群れだった。A子は本当に嬉しそうだった。私も凍えながらもわくわくして眺めた。私たちはお爺さんに手渡されたリンゴを、取っては投げ取っては投げした。A子のおかげで私も本当に素敵な光景を見ることができた。あれから40年以上経っているけれど、今でも下北半島の猿にはなかなか会うことはできないのかもしれない。

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2011年5月 2日 (月)

緑色のオーム

 ふと、今どこにいるのだろう、と思った。まだシドニーに住んでいる?そんなわけはない。それならばあの声は…。窓を開けて外を見ると、電線の上に大きな緑色のオームがとまっている。嘴だけが赤く尾羽が長く伸びている。
 やっぱりまた来た。数日前、環七の方で消防車やら救急車のサイレンの音がひっきりなしに聞こえた夕暮れどき、何があったのだろうと思いながら腰をかがめて雑草を引き抜いていたら、ふっと空に不思議な影がさした。見上げると目の前の木の枝に大きな緑色のオームがとまっていた。オームはじっと私を見ている。私もじっと見つめ返す。このオームはひとりものかしら。鳥は必ずつがいで来るのに…。
 ずいぶん前にも緑色のオームが群れをなして飛んできたことがあったが、ここ何年も見なかった。多分、東工大の森から飛んでくるのだろう。あそこは人間に飼われていたオームが野性化して住みついているコロニーだ。
 シドニーでは実に様々なオームが庭に舞いおりてきた。一年じゅう、大小さまざま色とりどりのオームを眺めて暮らした。広大なユウカリの森に生息するオーム族のことを久しぶりに考えた。

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2011年2月22日 (火)

パンダ

 中国からパンダを借りたらしい。随分高く付くものだと驚く。まぁ、自民党時代に無駄使いした税金や年金に比べれば、雀の涙ほどのこともないのだろうが…。
 パンダが初めて上野動物園に来たのは1972年だが、私は見たことがなかった。初めてパンダを見たのは1982年、マドリッドのカサ・デ・カンポにあった動物園だ。テレビで放映される上野動物園の混雑が嘘のような広い草原のなかの自然動物園、元気にじゃれあい転げまわるパンダは、白も黒も分からないほど泥んこだった。
 当時、マドリッドでは世界で初めて人工授精で生まれたパンダの赤ちゃんの話題で持ちきりだった。現地の幼稚園に通い始めた子供たちはEnrique y Anaという「歌のお兄さんとお姉さん」が歌うEse Pandaという曲が大好きだったので、カセットテープを買った。もちろんCDもMDもビデオもない時代、幼稚園から帰ってくるとカセットをかけて子供たちは「マドリッド生まれのパンダの歌」を寝るまで歌っていた。
 当時のスペインは今では考えられないほど日本から遠く…地の果てだった。あの年はマドリッドに転居した年…何だか寂しいクリスマスだった。

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2010年5月15日 (土)

カラス

冬の間見かけなかったカラスが春になってどこからか舞い戻ってきて古巣で子育てをしているらしい。朝早くから夜遅くまで鳴き交わすカラスとカラス。お父さんとお母さんかな…。
よく聞いていると鳴き声がとても面白い。「わんわん、ばうわん」などという声がするので大きな犬が通っているのかと思うとカラスだ。「ミヤー、ミヤー」と猫が鳴いているのかと思うとカラスだ。猫は猫でも時には「ギャー」と鳴いてみせる。「グエ、グワ」などというのはカエルの真似だろうか。先日「こらこら、おいこら」といっているのを聞いて驚いてしまった。
何という芸達者だろう。カラスなぜ鳴くの?と聞きたくなる。

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2010年5月 8日 (土)

銀座の猫

子供の日の銀座。ソニービルの前に人だかりがしている。老いも若きも男も女も、みな携帯電話で写真を撮ろうと被写体に狙いを定めている。何ごとかと思って良く見ると、ポールの飾り台の上に猫が寝ている。しかも子猫と一緒だ。銀座のど真ん中で連休の午後の人ごみも気にせずに、子供を抱いて静かに眠っているなんて…。
確かに写真に収める楽しさは十分にあったと思う。

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2010年4月22日 (木)

キバタン

写真は昨日のクッカトゥー(キバタン)

クッカトゥー(日本ではキバタンと呼ばれる)といえばオーストラリアだ。ユウカリの森の彼方からギャーギャーと鳴き声が近づいてきて見る見るうちに大きな羽ばたきが空を覆うと、一羽、また一羽とベランダの石の手すりの上に真っ白なクッカトゥーが下りてくる。
私はシドニーの家で、毎日それを眺めては楽しんでいたが、その群れのなかに片目の鳥が一羽いた。いつも一番高いところに止まって仲間をじっと見下ろしていてめったに私のそばにも寄って来ない。私は秘かに彼をジョージと呼んでいた。なんでジョージなのかわからないが何となくジョージっぽい感じがした。日本でいう太郎みたいなものかもしれない。鳥はほとんどが番いで来る。どんな鳥もだ。(因みに雄と雌は眼の色が違うというが、私にはどう見ても同じに見えた)でもジョージだけはいつもたった一人だった。ジョージの半生に何があったのだろう。縄張り争いで目をやられたのだろうか。それとも事故か、女の仇打ちにあった?そんなことはないだろうな…。私はジョージを見つめながらいつも様々な想像で頭をいっぱいにしていた。日本の町で飼われている「まりこ嬢」を見ながら、ふとジョージを思い出していた昨日の散歩だった。それにしても、今日は昨日と打って変って、冷たい雨が降り続いた。なんて寒いんだろう。

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2010年4月21日 (水)

散歩

写真はクッカトゥー

今日はやっとひとつ原稿を書き終えたので、少し散歩をしようと早目の昼食をすませて家を出る。ここ数日、部屋にこもっていたので、何だか足が地に着いていない感じ…これは非常にまずい。それでもゆっくり歩きながら、家々の玄関先や庭に色とりどりの春の花が咲き競っているのを眺める。鳥が電線の上で鳴いている、空は青くて日傘をさしていても眩しいくらいだ。大森行きのバスが通る道に出て、お煎餅の老舗で好物の塩揚げ煎餅を買う。奥さんは次男の小学校の同級生のお母さん、しばらくしゃべって店を出る。今日は水曜日のせいか人通りが少ないが、何だか平和で豊かな感じがこの町に満ちている。新しくできたメロンパンの店で抹茶メロンパンを買い、ぶらぶら歩いて駅の方まで行った。
気持ちが良いので、もう少し歩こうと公園と商店街の角にあるタイヤキ屋の前までいくと人だかりがしている。みると自転車の上にあの見慣れたオーム、オーストラリアのクッカトゥーがいるではないか。持ち主は、まりこ(鳥の名)は63歳です、などと話している。まりこ嬢はワンワンなどと犬の真似をしたり、コラ(どう聞いてもコラと聞こえる)といったりして愛嬌をふりまいているが、オーストラリアの家に群れをなして飛んできたクッカトゥーに比べると、何だか貧弱で可愛そうなくらいだった。それでもここでは人気者で、まわりの人間に携帯電話のカメラをむけられてまんざらでもなさそうだった。帰りは庚申地蔵の角を曲がり、坂を上がって我が家に着いた。
こうして散歩をするのは本当に久しぶりだ。用事もなく散歩に出るなどということはもしかしたら数年ぶりかもしれない。家々の庭や垣根に咲き乱れる花を眺め、好物のお煎餅やおやつなんか衝動買いして、古本屋の店先で良い本がないか物色し、見知らぬ人々と明るい春の陽射しのなかで笑いさざめきながら話し…そしてぶらぶらと坂を下り、坂を上り、有名になった戸越銀座商店街系列?の庶民的な商店街を歩くのも楽しいものだ。帰りついたのは2時40分、2時間近く歩いてしまった。

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