イギリス

2011年1月31日 (月)

キューガーデン野外コンサート

 数日前、メールを開けたら半年以上も先のキューガーデン野外コンサートの知らせがきていた。ロンドンから帰国して3年ほどは、銀行、スーパーマーケット、ホテルなどの宣伝メールが頻繁にきていたが、さすがに近ごろは少なくなった。まだくるのはスコットランドのホテルと、このキューガーデン野外コンサートの知らせくらいだろうか。
キューガーデンの野外コンサートは夏の夜に催される。皆、ピクニックランチ(ディナーなのだが)を用意して広い芝生の一角に場所を取り、家族や友人同士で楽しいひと時を過ごす。
 私も一度だけいった。昔の日記を見ると2004年だったらしい。
 「おにぎりと玉子焼きとハンバーグ、ラディッシュの酢漬け、それにバナナ、お菓子、暖かいお茶をバスケットに詰め、敷物とクッションを持って出かける」とある。
 会場はごった返していて日本のお花見状態。7時半に始まるのだが、空はまだまだ明るい。出演はジールズ・ホーランドとリズム&ブルース楽団。広場では2曲目あたりからもう踊り始めている人がいる。なかには赤ん坊を抱いたまま踊っている人もいる。9時を過ぎてやっと陽が沈むと、会場は佳境に入り酔っ払いの大集団となった。道を歩きながら、食べながら、飲みながら、地べたに横になっていても、トイレに並んでいても踊っている。
イギリス人は踊りが大好き、踊らないではいられない。陰気な人など誰もいない、みな気の良い酔っ払いだ。フランス人から見るとイギリス人は陰気らしいが、どうみても陰気なんかじゃなかった。演奏が終わりしばらくすると花火が上がる。黒々とした夏木立の上に華麗な花が咲く。それでやっとお開きになる。
 「夜風が少し冷たくなって、私はコートを着込んだ。人々は名残り惜しそうに敷き物をたたみはじめた。さすがに老人や子供たちは、踊り疲れ、食べ疲れ、飲み疲れた顔をしている。若者たちだけが歌を歌いながらの退場だ。星が輝きを増し、真夏の夜だというのにかなり冷え込んできた。今夜はみな、どんな夢をみるのだろう」日記はそう結んである。
 

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2010年3月 1日 (月)

TIDE

チリ大地震の津波の影響で利根川の河口から16㎞の地点でも水位が40㎝上昇…という報道があった。それを聞いて毎日水位が変わるテームズ川のことを思い出した。時には1メートル以上も水位が上がり周辺に立ち並ぶ建物を水没させ人々の通行を阻止する。私が住んでいたリッチモンドにもテームズ川が流れていた。1777年に造られたリッチモンドブリッジ周辺にレストランやカフェが立ち並び、晴れた日は人々が集まり、花で埋もれた芝生の斜面に座ってのんびりと中州の水鳥を眺めている。
けれども時おり、信じられない光景が繰り広げられる。水位が著しく上がり、レストランやカフェ、小さな売店のなかにまで水が押し寄せてくるのだ。川沿いに置かれた木製の椅子や小さなテーブルがプカプカと水に浮いていたりする。川は土手の木々を押し流し景色を一変させる。それなのにイギリス人はいたって呑気だ。全然気にしない。いつものこと、毎年のこと、何百年もおなじだからだ。
でもテームズ川の水位上昇はただのTide、利根川のTidal Waveとは本質的に違うのだからこんなことは比較にならないだろう。

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